— 番頭の予想
では本編に入る。
本命はナッシングベター(11番)。1番人気1.5倍、近走で3着以内が6割、直近は3着・2着・2着と上位に顔を出し続けている。こちらの帳面でも2番手評価だ。人気は順当、文句のつけようがない。対抗はカイトベルク(8番)、2番人気7.2倍。直近2走で連続2着、3着内率は4割。ここまでは新聞で分かる話だ。
本題に入る。
今日の掘り出し物はアデニウム(6番)。前売り11番人気、単勝43倍の最下位人気だ。
この馬の近走5走の着順を読んでほしい。2着、2着、2着、3着、5着——5走全て掲示板内だ。3着内率は0.8、近走8割の確率で馬券圏に絡んでいる計算になる。なのに43倍。なぜそうなるか。勝てていないからだ。
2着、2着、2着——「あと一歩」が続くと、市場は「届かない馬」の烙印を押す。人は「勝つ馬」を買う。「惜しい馬」は誰も拾わない。そうして43倍になった。
だがこちらの帳面が言うのは、力負けしているわけではないということだ。掲示板を外したことがない。際どく届かずを繰り返して誰も振り返らなくなっただけの話で、それが今日43倍という値をつけている。これが市場との落差だ。
もう一頭添えておく。ダイハッシュウ(9番)、前売り10番人気39.8倍。近走に一度大崩れの9着があるから人気がない。だがそれ以外の4走は全て4着以内で、直近の前走は3着だ。一度飛んだ馬は嫌われる、これも市場の習性だ。
▼堅実 — ナッシングベター複勝・カイトベルク複勝(2点)。そこそこ当たるが配当は薄い。懐を守る層だ。
▼妙味 — ナッシングベター×アデニウム ワイド・ナッシングベター×ダイハッシュウ ワイド(2点)。月に一度獲れれば御の字。当たれば二桁倍もある。
▼夢 — 三連複 ナッシングベター-カイトベルク-アデニウム(1点)。滅多に来ない。来た時だけ大きい。夢は百円で十分だ。
当たるとは請け合わない。儲かると言う予想家を信用するな。こちらが言えるのは帳面の裏に筋があることだけだ。乗るかは各自で決めろ。