— 番頭の予想
馬名を明かす。5番エイシンスコッティだ。前売り9番人気、オッズ31倍。世間が完全に素通りしている馬が、こちらの帳面では出馬表全体の中で二番目に浮かんでくる。その落差が七つ分だ。
近走を掘ってみる。直近が三着、その前五着、七着と続くが、遡れば一着が顔を出す。3着内率は0.4——五走に二回は掲示板の上に載っている。七歳のセン馬が、これだけ安定して掲示板に顔を出しながら31倍に甘んじている。大崩れだけで消えた馬ではない、好走と凡走が混ざっているだけだ。その混ざり具合が世間の目を遠ざけている——それが31倍の正体だとこちらは読む。
今日は雨の浦和、稍重のダートで千四百。水を含んだ馬場は重たく、後ろから差してくるより前で流れに乗れる馬に分がある展開になりやすい。エイシンスコッティがどの位置から競馬をするか帳面には出ていない。だが31倍を払って敬遠する理由が、こちらには見当たらない。
もう一点。スペンサーバローズ(11番)は前売り3番人気4.5倍だが、こちらの帳面では9位評価だ。落差が六つある。近走には10着が刻まれている。3番人気は重い、ここは外す。
本命はイナダヒメ(6番)。直近三走すべて1着、3着内率0.6。この強さは新聞を見ても分かる、素直に認める。対抗はマルセルテソーロ(4番)、1番人気の4歳馬。成長力込みの市場評価だが、否定はしない。
▼堅実——イナダヒメとマルセルテソーロ、複勝2点。そこそこ当たるが配当は薄い。懐を守る層だ。
▼妙味——イナダヒメ×エイシンスコッティ、マルセルテソーロ×エイシンスコッティ、ワイド2点。月に一度獲れれば御の字、当たれば二桁倍もある。
▼夢——イナダヒメ-マルセルテソーロ-エイシンスコッティの三連複1点。夢は百円で十分だ。来た時だけ大きい、宝くじの楽しみと割り切れ。金を積むな。
当たるとは請け合わない。儲かると言う予想家は信用するな。こちらが言えるのは、帳面の裏に筋が通っているということだけだ。乗るかは各自で決めろ。