— 番頭の予想
まず疑問を一つ片付ける。クロシェノワール、前売り二番人気、単勝四・二倍。なかなかの信任だが、近走五走を数えると三着以内がゼロだ。六着、十着、四着、十一着、九着——三着内率は文字通り0.0。どこにこの人気の根拠があるのか、こちらの帳面には見えない。市場が作り上げた虚像と疑っている。逆らう材料は十分ある。
本題に入る。こちらが引き出した一頭はエヴィエニス、八番人気、単勝二十九・七倍。世間には完全に忘れられた馬だが、足跡を細かく追うと話が変わる。三走前に1着、二走前に2着——一時、連勝に近い勢いを持っていた馬だ。直近で八着に後退したことで世間の目から消えたが、直近一走だけで見限るのは早計だ。三着内率〇・四は、二十九倍の人気帯では頭一つ抜けた数字。こちらの帳面では三番手評価で、市場との差は五つある。一時輝いた馬が底を打って再び顔を出すか——そこが読みの核だ。
ジャルダンデュロワは本命、揺るがない。五走全て圏内、着内率百パー。こちらが認めると言ったら本物だ。その一頭を軸に、二着以下の争いでエヴィエニスが割り込む余地を見ている。
▼堅実 — ジャルダンデュロワ複勝・モーリシャスアロマ複勝(2点)。そこそこ当たるが配当は薄い。懐を守る層だ。
▼妙味 — ジャルダンデュロワ×エヴィエニス・ワイド、モーリシャスアロマ×エヴィエニス・ワイド(2点)。月に一度獲れれば御の字、当たれば二桁倍もある。本編まで読んだなら、ここまでは付き合ってみろ。
▼夢 — 三連複 ジャルダンデュロワ-モーリシャスアロマ-エヴィエニス(1点)。滅多に来ない。来た時だけ大きい。宝くじの楽しみと割り切れ。夢は百円で十分だ。
当たるとは請け合わない。儲かると言う予想家は信用するな。こちらが言えるのは帳面の裏に筋があることだけ。乗るかは各自で決めろ。